第26回美術鑑賞会「川村美術館」を観て 【実施報告】

Posted by on 12月 30, 2017 in 新着情報
第26回美術鑑賞会「川村美術館」を観て 【実施報告】

11月8日、美術館前に集合したのは会員10名。入口を入ると広い円形のエントランス。真ん中にはふくよかなラインの女性像、マイヨール作「ビィーナス」像。しばし見とれて隣の部屋へ。そこには17世紀オランダを代表する画家レンブラントの「広いつば帽を被った男」が。モデルの顔には左右から光が差し込み、400年の歳月を過ぎても生き生きとした表情が描き出されていました。

次の部屋には宗教絵画や写術主義から解放された印象派やキュビズムのエコール・ド・パリの作品群。中でも注目はシャガール、ロシア系ユダヤのためナチスから迫害を受け一時米国へ亡命。戦後パリに戻りオペラ座の天井絵画を描いたのはあまりにも有名。作品は空中を遊泳するかのような謎めいた作風で、妻「ベラ」への愛を表現した作品が主です。

そしてそのお隣は第一次大戦後ヨーロッパで興った「抽象主義」の作品から、第二次大戦後ヨーロッパ美術の呪縛から解き放たれたアメリカ美術の展示へ。人の背丈をはるかに超える巨大なキャンバスを覆い尽くす圧倒的な色彩の「ステラ」や「ロスコ」の作品。自由奔放に.絵具をまき散らしたポロックの「コンポジション」。そしてアンディ・ウォールホールはマリリン・モンローやコカ・コーラ絵の具をまき散らしたボロックの「コンポジション」。そしてアンディ・ウオーホールはマリリンモンローやコカ・コーラなどマスメディアに登場する商業的なシルクスクリーンを制作。ポップアートとして私達の身の回りに氾濫しています。

そして企画展「フェリーチェ・ベアト展」へ。ベアトは幕末から明治維新の日本の「人物」「風景」を活写。写真技術が確立されたばかりの時代、写真は激動の時代をしっかりと捉え現代に伝えている。誰もが行った事のある「愛宕山」や、いまや第一京浜の4車線道路で大型車が行きかうあの「生麦事件」の現場の在りし日の姿を映し出している。
今回の展覧会はあまりにも多岐にわたり、焦点がぼけてしまっていたような気がします。                       (記 柏原博人43、工)